スギ花粉症舌下免疫療法とは
2014年10月にスギ花粉症の舌下免疫療法治療薬が発売されました。スギ花粉症の舌下免疫療法を開始できる時期は決められています。舌下免疫療法をご希望のかたは、まず下記の案内をご覧ください。治療開始前に適応を決める検査がありますので、まずは一度当院を受診してください。受診の際に予約は不要です。
ダニの舌下免疫療法については、当院WEBサイト「→ダニ舌下免疫療法」をご覧ください。 小児の治療薬が2018年6月に発売されました。
すでに国民の25%以上がスギ花粉症といわれる時代です。スギ花粉症に効く究極の治療法はまだないのが現状です。「舌の下にスギ花粉の液を滴下してスギ花粉症を治す」という治療法を新聞やテレビでみたことはありませんか? これが舌下免疫療法です。
私どもは、舌下免疫療法が保険適応でなかった2005年から年間100例程度の患者さんに舌下免疫療法を行っており、様々な臨床検討を行ってきました。
舌下投与でない皮下注射による免疫療法は保険適応のある治療として数多く行われています。舌下免疫療法と皮下注射免疫療法はともにスギ花粉症に有効な治療です。舌下免疫療法は次世代の新治療としての期待が高いですが、まだ正確に治療法を理解されているとはいえません。以下に、スギ花粉症の舌下免疫療法を説明します。
スギ花粉症舌下免疫療法のよくある質問
アレルギー性鼻炎・スギ花粉症の免疫療法とは?
免疫療法とは、病気の原因となるもの(アレルゲンと言います)を少ない量からゆっくり増やして体内にいれて治そうとする方法です。
例えば、スギ花粉症の場合には、体に安全な低量の医療用のスギ花粉抽出物を体内に入れ、安全性と反応を見ながらゆっくりと量を増やして、体質を徐々に変えていく治療です。
アレルギー性鼻炎では免疫療法という名前よりも「減感作療法」とか「脱感作療法」として知れ渡っているかもしれません。
例えば、スギ花粉症の場合には、体に安全な低量の医療用のスギ花粉抽出物を体内に入れ、安全性と反応を見ながらゆっくりと量を増やして、体質を徐々に変えていく治療です。
アレルギー性鼻炎では免疫療法という名前よりも「減感作療法」とか「脱感作療法」として知れ渡っているかもしれません。
免疫療法にはどのような種類があるの?
注射で行なう皮下免疫療法は保険適応で1960年代から行なわれていました。
新しい免疫療法として舌下に薬を滴下する舌下免疫療法が2014年に初めて保険適応となりました。
新しい免疫療法として舌下に薬を滴下する舌下免疫療法が2014年に初めて保険適応となりました。
免疫療法をすれば花粉症は治るの?
免疫療法は現状では唯一の花粉症を治し得る治療法とされています。
しかし、全員には効きません。
おおよそですが、治療後の様子をうかがうと、治療を行った方の20%で花粉症が治癒し、30%以上でかなり楽になり花粉症薬の薬が激減した、20~30%で症状はあるが以前より楽と答えられます。
残念ながら10~20%では治療効果がありません。
全体をみますと80%以上の方に効果があります。
皮下免疫療法のほうが舌下免疫療法より若干よい結果がでています。
しかし、全員には効きません。
おおよそですが、治療後の様子をうかがうと、治療を行った方の20%で花粉症が治癒し、30%以上でかなり楽になり花粉症薬の薬が激減した、20~30%で症状はあるが以前より楽と答えられます。
残念ながら10~20%では治療効果がありません。
全体をみますと80%以上の方に効果があります。
皮下免疫療法のほうが舌下免疫療法より若干よい結果がでています。
これまでのスギ花粉症の免疫療法(注射による方法)は、どのように行なうの?
2014年以前に日本で認可されている方法は注射による方法のみでした。
スギ花粉を含んだ注射液を低い濃度から徐々に濃度をあげながら注射します。
急に濃度をあげると危ないからです。
毎週1回の注射を4~6ヵ月程度続けると最大の濃度となります。
最大濃度に達したら、次に注射の間隔をあけていき、1ヶ月に1回の注射になります。
1ヶ月に1回の注射を3年以上継続していきます。
このように計画的に行わないと効果も少なく、安全でありません。
根気よく通っていただく必要があります。
また、特殊な治療法ですので、行える施設も限られており、どの地域でも行えるものではありません。
(注射法による説明です。舌下法の説明ではありません。)
スギ花粉を含んだ注射液を低い濃度から徐々に濃度をあげながら注射します。
急に濃度をあげると危ないからです。
毎週1回の注射を4~6ヵ月程度続けると最大の濃度となります。
最大濃度に達したら、次に注射の間隔をあけていき、1ヶ月に1回の注射になります。
1ヶ月に1回の注射を3年以上継続していきます。
このように計画的に行わないと効果も少なく、安全でありません。
根気よく通っていただく必要があります。
また、特殊な治療法ですので、行える施設も限られており、どの地域でも行えるものではありません。
(注射法による説明です。舌下法の説明ではありません。)
注射に変わる新しい方法 ー 舌下免疫療法とは?
注射による方法では、注射による痛みがあることと通院が大変なことが問題でした。
そこで、同じ事を注射以外でできないか?と考えられ、鼻に投与する方法や飲む方法などが海外で検討されてきました。
多くの研究の結果として、舌下法が最も簡易にかつ安全に行える方法という結果に至りました。
スギ花粉症は海外に無い日本に特有の病気ですので、海外での結果を参考にできません。
そこで、スギ花粉症にも舌下免疫療法が行なえないかと考えられました。
当院を含むごく限られた施設が自主的に臨床研究をはじめました。
10年以上かけて研究成果が出てきたことにより、スギ花粉症の舌下免疫療法を行なえそうだとわかりましたので、注射による免疫療法を行なっている製薬会社が臨床試験を行ない、2014年に保険適応になりました。
そこで、同じ事を注射以外でできないか?と考えられ、鼻に投与する方法や飲む方法などが海外で検討されてきました。
多くの研究の結果として、舌下法が最も簡易にかつ安全に行える方法という結果に至りました。
スギ花粉症は海外に無い日本に特有の病気ですので、海外での結果を参考にできません。
そこで、スギ花粉症にも舌下免疫療法が行なえないかと考えられました。
当院を含むごく限られた施設が自主的に臨床研究をはじめました。
10年以上かけて研究成果が出てきたことにより、スギ花粉症の舌下免疫療法を行なえそうだとわかりましたので、注射による免疫療法を行なっている製薬会社が臨床試験を行ない、2014年に保険適応になりました。
どうやって舌下免疫療法を行うの?
スギ花粉から抽出した薬を舌下(舌の裏)にいれます。舌下に1~2分(治療薬により異なる)保持したままそっとしておき、その後に飲み込みます。
1回目の舌下投与は医療機関で行ないますが、以降は毎日自宅で行ないます。
1回目の舌下投与は医療機関で行ないますが、以降は毎日自宅で行ないます。
いつからはじめるの?
安全に治療を行なうために、スギ花粉の飛散する前後に舌下免疫療法を開始できません。
1月から5月は治療を開始できない時期と考えてください。
また、スギ花粉の飛散が始まる3ヶ月以上前から治療を開始すると効果的です。
当院のある三重県津市では11月中旬までに治療を開始したいです。
12月でも治療を開始できますが、1月以降になると、翌夏まで待っていただきます。
1月から5月は治療を開始できない時期と考えてください。
また、スギ花粉の飛散が始まる3ヶ月以上前から治療を開始すると効果的です。
当院のある三重県津市では11月中旬までに治療を開始したいです。
12月でも治療を開始できますが、1月以降になると、翌夏まで待っていただきます。
通院はどうなるの?
毎日の通院は不要ですが、定期的な通院が必要です。
治療開始後の数回は2週間毎に来院していただき、副作用が無く安全にできているかを確認します。
その後は月に1回の通院が必要です。
1ヵ月以上の長期の投薬はしません。
この薬は医師の処方箋無しに薬局で買うことはできません。
治療開始後の数回は2週間毎に来院していただき、副作用が無く安全にできているかを確認します。
その後は月に1回の通院が必要です。
1ヵ月以上の長期の投薬はしません。
この薬は医師の処方箋無しに薬局で買うことはできません。
どこでも処方してくれるの?
薬の処方はどこでもできるわけではありません。
処方する医師もあらかじめ講習を受けた医師しかできません。
講習を受けた医師は全国にいますので、当院だけでなく、お近くで処方してくださる医師を探すことも可能です。
薬を発売している製薬会社のホームページなどで処方可能な医院を検索できます。
あらかじめ確認してから受診しましょう。
処方する医師もあらかじめ講習を受けた医師しかできません。
講習を受けた医師は全国にいますので、当院だけでなく、お近くで処方してくださる医師を探すことも可能です。
薬を発売している製薬会社のホームページなどで処方可能な医院を検索できます。
あらかじめ確認してから受診しましょう。
治療薬の味は?
無味無臭の薬とやや甘い薬の2種類の薬があります。
治療を行いにくい味ではありません。
治療を行いにくい味ではありません。
口の中に入れるけど薬は大丈夫?
もともと注射用に使われている薬と全く同じ成分ですので、極めて安全につくられています。
体内に注射するものを口にいれることになりますので、薬自体は安全です。
体内に注射するものを口にいれることになりますので、薬自体は安全です。
治療の副作用は?
この薬は合成薬ではなく、自然界にあるスギ木の花粉から薬用に成分抽出されています。
そのため、薬害は無いと考えられますが、理論的には舌下直後にアナフィラキシーとよばれる強いアレルギー反応を起こす可能性があります。
つまり、スギ花粉にアレルギーがある患者さんにスギ花粉で治療するわけですから、口にスギ花粉を入れることによりアレルギー反応が起こる可能性があります。
このような反応を副作用と呼ばず、副反応と呼びます。
これまでの海外での実績で重篤な副反応はきわめて稀であり、従来の注射による方法よりもかなり安全とされます。しかし、軽い副反応はありますので、治療時にはよく理解する必要があります。
軽い副反応は、決して怖いものではありません。よく理解していただければ、安全に行なえます。
これまでの我々の経験でも、即座に治療を中止するような副反応の経験はありません。
そのため、薬害は無いと考えられますが、理論的には舌下直後にアナフィラキシーとよばれる強いアレルギー反応を起こす可能性があります。
つまり、スギ花粉にアレルギーがある患者さんにスギ花粉で治療するわけですから、口にスギ花粉を入れることによりアレルギー反応が起こる可能性があります。
このような反応を副作用と呼ばず、副反応と呼びます。
これまでの海外での実績で重篤な副反応はきわめて稀であり、従来の注射による方法よりもかなり安全とされます。しかし、軽い副反応はありますので、治療時にはよく理解する必要があります。
軽い副反応は、決して怖いものではありません。よく理解していただければ、安全に行なえます。
これまでの我々の経験でも、即座に治療を中止するような副反応の経験はありません。
これまでの飲み薬と何が違うの?
この治療の大きな特徴は、花粉飛散による症状を抑えるものではなく、花粉飛散による症状を予防するものです。
既存の飲み薬は、スギ花粉で引き起こされる、くしゃみ・鼻水・鼻つまりの症状を改善させるもので、スギ花粉の飛散する時期に使う薬でした。
一方で舌下免疫療法は、事前に治療を開始してスギ花粉症の症状が出ないように予防するものです。ですから、治療の開始は花粉の季節時に症状が出てから行なうのではなく、それよりも数ヵ月以上前から行なわなければなりません。治療薬というより予防薬という方がわかりやすいかもしれません。
既存の飲み薬は、スギ花粉で引き起こされる、くしゃみ・鼻水・鼻つまりの症状を改善させるもので、スギ花粉の飛散する時期に使う薬でした。
一方で舌下免疫療法は、事前に治療を開始してスギ花粉症の症状が出ないように予防するものです。ですから、治療の開始は花粉の季節時に症状が出てから行なうのではなく、それよりも数ヵ月以上前から行なわなければなりません。治療薬というより予防薬という方がわかりやすいかもしれません。
なぜ舌下法が注射法より期待されるの?
注射でないから痛くないことと、自宅でできるからです。
また、注射の方法より重篤な副反応が少なく安全だからです。
また、注射の方法より重篤な副反応が少なく安全だからです。
舌下法と注射法でどちらが効くの?
舌下法の有効性については海外でも報告されています。しかし、注射法の治療成績より勝るという報告はありません。
同等に効いたという報告はあります。
一般に注射の方が飲む薬より良く効くことが多いのと同じかもしれません。ただし、内服薬にもよく効く薬があるように、舌下法が花粉症に効果的ならば、申し分ありません。
我々が独自に2008年から継続して調査しているスギ花粉症に行った舌下免疫療法の効果では、舌下免疫療法は注射と同等の効果で、飲み薬と点鼻薬の治療より効果的でした。
同等に効いたという報告はあります。
一般に注射の方が飲む薬より良く効くことが多いのと同じかもしれません。ただし、内服薬にもよく効く薬があるように、舌下法が花粉症に効果的ならば、申し分ありません。
我々が独自に2008年から継続して調査しているスギ花粉症に行った舌下免疫療法の効果では、舌下免疫療法は注射と同等の効果で、飲み薬と点鼻薬の治療より効果的でした。
舌下法のこれまでの治療の効果は?
国内で行なわれたスギ花粉症での臨床試験では、プラセボ(薬の成分のはいっていない偽薬)より有意に効果的でした。
スギ花粉以外の花粉での結果ですが、海外でもプラセボより効果的であった報告が多数あります。
これらの結果から、舌下免疫療法はアレルギー性鼻炎に効く治療と考えられます。また、舌下免疫療法を行うと、併用する花粉症の薬の量が少なくできるのも大きな利点です。
スギ花粉以外の花粉での結果ですが、海外でもプラセボより効果的であった報告が多数あります。
これらの結果から、舌下免疫療法はアレルギー性鼻炎に効く治療と考えられます。また、舌下免疫療法を行うと、併用する花粉症の薬の量が少なくできるのも大きな利点です。
舌下法をすれば花粉症が治るの?
舌下法で根治する例は20%弱と考えています。
舌下法で少しの症状があったがとても良かったという人が30%前後、効いたと思うという人が30%前後で、全体の80%以上の人に有効でした。
誤解のない様にしていただきたいことですが、舌下法で誰でも根治するわけではありません。
この方法で、より症状が良くなることを願っており、花粉の多く飛散する時には病院で処方される飲み薬などの併用が勧められます。
少ない併用薬で症状を減らすのも大きな目標と理解してください。
舌下法で少しの症状があったがとても良かったという人が30%前後、効いたと思うという人が30%前後で、全体の80%以上の人に有効でした。
誤解のない様にしていただきたいことですが、舌下法で誰でも根治するわけではありません。
この方法で、より症状が良くなることを願っており、花粉の多く飛散する時には病院で処方される飲み薬などの併用が勧められます。
少ない併用薬で症状を減らすのも大きな目標と理解してください。
治療前に効果があるかわかるの?
舌下免疫療法の最大の問題点は、せっかく長期間の治療をしたのに効果が少ないかたがあるということです。
治療前にどのようなかたが効果的で、どのようなかたが全く効かないかがわかれば問題ないのですが、残念ながらそれがわかりません。
舌下免疫療法の有効率は80%以上と予想されますが、逆に10~20%のかたで効果が少ないということになります。
多くの研究施設がこの問題に取り組み、我々も様々なことを検討してきましたが、まだ治療前に効果を予想できていません。
治療前にどのようなかたが効果的で、どのようなかたが全く効かないかがわかれば問題ないのですが、残念ながらそれがわかりません。
舌下免疫療法の有効率は80%以上と予想されますが、逆に10~20%のかたで効果が少ないということになります。
多くの研究施設がこの問題に取り組み、我々も様々なことを検討してきましたが、まだ治療前に効果を予想できていません。
なぜ、舌下法の方が通院などで楽なのに行われなかったの?
もともとの免疫療法は注射で50年以上行われてきました。
注射での有効性と安全性に関するエビデンス(これまでの報告)がたくさんあります。
一方、舌下法は新しい治療ですので国内での臨床治験がないと厚生労働省も舌下法を認可しません。
舌下免疫療法は魅力的な治療ですので、免疫療法に精通した施設がグループとなって、倫理委員会の承認のもとに安全性と有効性をみる試験が計画され、私どもも行ってきました。
このような結果が報告されるにつれ、さらに舌下免疫療法への期待が高まり、大きな臨床試験がおこなわれ、ついに保険適応に至りました。
新しい薬がでるには様々なステップが必要であり、この舌下免疫療法が保険適応になるまでには、最初に日本で舌下免疫療法を試される研究が始まってから15年もかかっています。
注射での有効性と安全性に関するエビデンス(これまでの報告)がたくさんあります。
一方、舌下法は新しい治療ですので国内での臨床治験がないと厚生労働省も舌下法を認可しません。
舌下免疫療法は魅力的な治療ですので、免疫療法に精通した施設がグループとなって、倫理委員会の承認のもとに安全性と有効性をみる試験が計画され、私どもも行ってきました。
このような結果が報告されるにつれ、さらに舌下免疫療法への期待が高まり、大きな臨床試験がおこなわれ、ついに保険適応に至りました。
新しい薬がでるには様々なステップが必要であり、この舌下免疫療法が保険適応になるまでには、最初に日本で舌下免疫療法を試される研究が始まってから15年もかかっています。
舌下免疫療法を行うと他の薬は飲めないの?
舌下免疫療法を行なっていても、花粉症の症状がでたら適切にお薬を使ってください。
我々の舌下免疫療法の考えは、併用薬の量を少なくして、症状を軽減する治療と考えており、全ての方が薬を飲まなくてすむ治療とは考えていません。
花粉飛散が非常に多い時には症状も出やすくなりますので、我慢せずに適切な薬の併用をお勧めしています。ただし、免疫の力で体質を改善する治療ですので、ステロイドという全身の免疫能を減らす飲み薬の併用を控えてもらう様にお願いしています。
ステロイドは、アレルギーにも効果のある薬です。
ステロイドの内服薬は、連用すると副作用も出やすいので、一般的に使用の際には注意が必要です。
一方で、ステロイドの点眼や点鼻薬は花粉症にも効果が高く、よく使われる薬です。
ステロイドの点眼や点鼻薬は全身に作用しませんので、舌下免疫療法と併用して構いません。
内服薬のみ控えていただいています。
我々の舌下免疫療法の考えは、併用薬の量を少なくして、症状を軽減する治療と考えており、全ての方が薬を飲まなくてすむ治療とは考えていません。
花粉飛散が非常に多い時には症状も出やすくなりますので、我慢せずに適切な薬の併用をお勧めしています。ただし、免疫の力で体質を改善する治療ですので、ステロイドという全身の免疫能を減らす飲み薬の併用を控えてもらう様にお願いしています。
ステロイドは、アレルギーにも効果のある薬です。
ステロイドの内服薬は、連用すると副作用も出やすいので、一般的に使用の際には注意が必要です。
一方で、ステロイドの点眼や点鼻薬は花粉症にも効果が高く、よく使われる薬です。
ステロイドの点眼や点鼻薬は全身に作用しませんので、舌下免疫療法と併用して構いません。
内服薬のみ控えていただいています。
舌下免疫療法は長期間の治療が必要?
舌下法でも注射法と同じく長期間の継続治療が必要です。
まずは、2年ほど舌下免疫療法を行い、効果を確認しましょう。
そこである程度効果のある方には合計4~5年間の治療を勧めています。
まずは、2年ほど舌下免疫療法を行い、効果を確認しましょう。
そこである程度効果のある方には合計4~5年間の治療を勧めています。
舌下免疫療法は、始めたらすぐ効くの?
舌下免疫療法は、始めたら数日で効果の出るような治療ではありません。長期間の治療が必要です。
花粉症症状を抑え込む治療ではなく、免疫を変え、体質を改善する治療です。
長い期間かけて少しずつ良くする治療であることを理解してください。即効性を期待してはいけません。
花粉症症状を抑え込む治療ではなく、免疫を変え、体質を改善する治療です。
長い期間かけて少しずつ良くする治療であることを理解してください。即効性を期待してはいけません。
なぜ、舌下免疫療法を何年も行うの?
ゆっくりと時間をかけて治す治療であることは、これまでの説明の通りですが、免疫療法は治療期間が長くなれば効果が高まります。
我々は2005年から舌下免疫療法を開始しています。
すでに学会誌で報告している結果ですが、舌下免疫療法では、初年度より2年目、2年目より3年目以降で効果が高くなります。
体の免疫能(体質改善)が高まるからと考えられます。
従って、何年も治療すると効果がより高まるため、長い間の治療を勧めています。
ただし、初年度より2年目の方が効果的ですが、初年度に効かないわけではありません。
また、スギ花粉の飛散数は年により異なります。
増減を繰り返すことが多いので、スギ花粉飛散が多いか少ないかでも効果が変わりますので、数年での効果をみるとよいでしょう。
我々は2005年から舌下免疫療法を開始しています。
すでに学会誌で報告している結果ですが、舌下免疫療法では、初年度より2年目、2年目より3年目以降で効果が高くなります。
体の免疫能(体質改善)が高まるからと考えられます。
従って、何年も治療すると効果がより高まるため、長い間の治療を勧めています。
ただし、初年度より2年目の方が効果的ですが、初年度に効かないわけではありません。
また、スギ花粉の飛散数は年により異なります。
増減を繰り返すことが多いので、スギ花粉飛散が多いか少ないかでも効果が変わりますので、数年での効果をみるとよいでしょう。
舌下免疫療法は一生行う必要があるの?
注射法でも舌下法でも3~5年行えば、治療を止めても効果が長く持続すると考えられています。
我々の考えは、舌下免疫療法を4~5年行うことを勧めています。
舌下免疫療法は、全員に効くものではありません。効かないかたもみえます。また、数年で効果が高まりますので、まずは2年をめどに開始し、効果のあるかたには4~5年の継続を勧めます。
そこで、終了しても効果は持続すると考えられています。
終了して何年も経過すると、また、スギ花粉症が悪くなるかたが出てきます。
その場合には、その時点で再度1~2年間の舌下免疫療法を行うと、効果が元に戻ると考えられます。
注射の方法は、再度行う場合にも最初からやり直しとなり、時間がかかりますが、舌下免疫療法では再度行う場合も短期で行える利点があります。
我々の考えは、舌下免疫療法を4~5年行うことを勧めています。
舌下免疫療法は、全員に効くものではありません。効かないかたもみえます。また、数年で効果が高まりますので、まずは2年をめどに開始し、効果のあるかたには4~5年の継続を勧めます。
そこで、終了しても効果は持続すると考えられています。
終了して何年も経過すると、また、スギ花粉症が悪くなるかたが出てきます。
その場合には、その時点で再度1~2年間の舌下免疫療法を行うと、効果が元に戻ると考えられます。
注射の方法は、再度行う場合にも最初からやり直しとなり、時間がかかりますが、舌下免疫療法では再度行う場合も短期で行える利点があります。
スギ花粉以外の花粉症にはないの?
日本で行なえるのはスギ花粉のみです。
海外にはスギ花粉がなく、樺(かば)や雑草の花粉症が多いので、その治療薬もあります。
日本でスギ花粉症の舌下免疫療法が広く行われるようになれば、他の花粉についても検討されるかもしれません。
海外にはスギ花粉がなく、樺(かば)や雑草の花粉症が多いので、その治療薬もあります。
日本でスギ花粉症の舌下免疫療法が広く行われるようになれば、他の花粉についても検討されるかもしれません。
ダニ(ハウスダスト・ホコリ)の鼻アレルギーには?
日本でもダニの舌下免疫療法が2015年に保険適応となりました。
詳しくは、当院のWEBサイトにある「→ダニ舌下免疫療法」をご覧ください。
スギ花粉症の舌下免疫療法とダニの舌下免疫療法の両方を同時に開始するのは勧められていません。
まずは片方から治療します。
片方の治療が安定すれば、他方も追加できる場合もありますので、治療時にご相談ください。
詳しくは、当院のWEBサイトにある「→ダニ舌下免疫療法」をご覧ください。
スギ花粉症の舌下免疫療法とダニの舌下免疫療法の両方を同時に開始するのは勧められていません。
まずは片方から治療します。
片方の治療が安定すれば、他方も追加できる場合もありますので、治療時にご相談ください。
ハウスダストアレルギーや他の花粉症があってもできる?
スギ花粉の舌下免疫療法はスギ花粉症に対する治療で、他のアレルギーのための治療ではありません。
しかし、他のアレルギーへの効果を期待できないことに理解できれば、スギ花粉の舌下免疫療法は行なえます。
1年のうちで特にスギ花粉飛散期の症状がつらいのでスギ花粉症を治したいのであれば、他のアレルギー性鼻炎を合併していても治療は可能です。
ただし、しっかりコントロールされていない喘息等を合併していると適応外となることがありますのでご相談ください。
しかし、他のアレルギーへの効果を期待できないことに理解できれば、スギ花粉の舌下免疫療法は行なえます。
1年のうちで特にスギ花粉飛散期の症状がつらいのでスギ花粉症を治したいのであれば、他のアレルギー性鼻炎を合併していても治療は可能です。
ただし、しっかりコントロールされていない喘息等を合併していると適応外となることがありますのでご相談ください。
舌下免疫療法はどこでできるの?
舌下免疫療法は保険適応のある治療ですが、処方する医師はあらかじめ講習を受ける義務があるため、どこの医療機関でもできるわけではありません。
大きな病院でも講習を受けていない医師は処方ができません。
お近くでどこにいけば舌下免疫療法を受けられるかについては、発売薬品会社のホームページなどで公表されていますので、受診する前にあらかじめ問い合わせるとよいでしょう。
大きな病院でも講習を受けていない医師は処方ができません。
お近くでどこにいけば舌下免疫療法を受けられるかについては、発売薬品会社のホームページなどで公表されていますので、受診する前にあらかじめ問い合わせるとよいでしょう。
どのようなかたに特にお勧め?
スギ花粉症でお悩みのかたには、皆さんにお勧めですが、特に下記のようなかたにお勧めしています。
・花粉症の薬がたくさんいるので、少しでも症状をよくするか、薬を減らしたい。
・眠気など、薬の副作用がある。
・まだ若いので、これからずっと毎年花粉症に悩むのか考えると心配。
・数年以内に妊娠の希望や予定はないが、将来に妊娠した際に薬が使えないのが不安。
・高校・大学などの受験期がスギ花粉症と重なるので、少しでもよくしておきたい。
・花粉症の薬がたくさんいるので、少しでも症状をよくするか、薬を減らしたい。
・眠気など、薬の副作用がある。
・まだ若いので、これからずっと毎年花粉症に悩むのか考えると心配。
・数年以内に妊娠の希望や予定はないが、将来に妊娠した際に薬が使えないのが不安。
・高校・大学などの受験期がスギ花粉症と重なるので、少しでもよくしておきたい。
適応と適応外は?
まず初めに大切なことは、スギ花粉症であることを明確に証明しなければなりません。
採血などの検査で診断をします。
検査などで治療の適応と判断されたかたでも以下の方は適応外です。
・妊娠されているかた、および、近いうちに妊娠希望のかた
・重症の喘息を合併しているかた
・重い心臓の病気を合併しているかた
・癌の治療をしているかた
・免疫不全などの病気の方 治療で免疫抑制剤を使用しているかた
※高血圧でベータブロッカーという薬を服用している方は、他の薬に変更する必要があります。
採血などの検査で診断をします。
検査などで治療の適応と判断されたかたでも以下の方は適応外です。
・妊娠されているかた、および、近いうちに妊娠希望のかた
・重症の喘息を合併しているかた
・重い心臓の病気を合併しているかた
・癌の治療をしているかた
・免疫不全などの病気の方 治療で免疫抑制剤を使用しているかた
※高血圧でベータブロッカーという薬を服用している方は、他の薬に変更する必要があります。
適応の年齢は? 子供には? 高齢者には?
スギ花粉の舌下免疫療法は、発売当初から12歳以上の年齢で適応でしたが、11歳以下でも可能な新しい製剤が2018年夏に発売されました。
子供の治療は、適応上では何歳からでも可能ですが、治療を上手くできるかを考えると5歳くらいから可能と考えています。
また、治療には採血による検査が必要ですので、採血をさせてくれるお子様が適応となります。
高齢者のかたは、適応外ではありませんが、効果のある方の割合がやや少なくなると予想されます。
また、毎日の舌下投与を4年以上行ないますので、スギ花粉症の時期に数ヶ月間の治療を繰り返すのがよいか、あるいは、毎日舌下免疫療法をするのがよいかをよく考えてください。
子供の治療は、適応上では何歳からでも可能ですが、治療を上手くできるかを考えると5歳くらいから可能と考えています。
また、治療には採血による検査が必要ですので、採血をさせてくれるお子様が適応となります。
高齢者のかたは、適応外ではありませんが、効果のある方の割合がやや少なくなると予想されます。
また、毎日の舌下投与を4年以上行ないますので、スギ花粉症の時期に数ヶ月間の治療を繰り返すのがよいか、あるいは、毎日舌下免疫療法をするのがよいかをよく考えてください。
治療費用は?
舌下免疫の治療のみで薬の処方がない場合には、医院での治療費と薬局での薬代と合わせて1ヵ月あたり2,000~2,500円程度の負担(保険適応3割負担の場合)になります。
スギ花粉の飛散時期だけでなく1年を通じて治療をしますので毎月ほぼ同額の治療費となります。
また、治療開始前の検査や1年に1回程度の検査が必要となり、その際にも5,000円程度の検査費負担がかかります。
舌下免疫療法を行っていてもスギ花粉が飛散する時期に症状がでる可能性があります。
その場合にも症状を抑える薬代などが必要になります。しかし、舌下免疫療法を行うことにより、スギ花粉飛散期の症状が軽くなれば、これまでよりも症状を抑える薬の量が減る可能性もあります。
スギ花粉の飛散時期だけでなく1年を通じて治療をしますので毎月ほぼ同額の治療費となります。
また、治療開始前の検査や1年に1回程度の検査が必要となり、その際にも5,000円程度の検査費負担がかかります。
舌下免疫療法を行っていてもスギ花粉が飛散する時期に症状がでる可能性があります。
その場合にも症状を抑える薬代などが必要になります。しかし、舌下免疫療法を行うことにより、スギ花粉飛散期の症状が軽くなれば、これまでよりも症状を抑える薬の量が減る可能性もあります。
治療開始時期は?
花粉飛散が始まる直前に治療を開始すると効果がでないだけでなく、安全性にも問題があります。
遅くとも12月末までに開始する必要があります。
また、効果がでるまでに3ヵ月程度必要ですので、1年目に効果を期待するには11月中旬までには開始したいです。
花粉飛散が終了して落ち着かないと開始できないため、スギとヒノキの花粉飛散が終わって1ヵ月程度経過した5月末頃まで開始できません。
治療開始は6月から11月中旬までが理想的で、遅くとも12月末までとなります。
遅くとも12月末までに開始する必要があります。
また、効果がでるまでに3ヵ月程度必要ですので、1年目に効果を期待するには11月中旬までには開始したいです。
花粉飛散が終了して落ち着かないと開始できないため、スギとヒノキの花粉飛散が終わって1ヵ月程度経過した5月末頃まで開始できません。
治療開始は6月から11月中旬までが理想的で、遅くとも12月末までとなります。
当院で舌下免疫療法を受けたい場合には?
スギ花粉症であること、免疫療法の適応であることなどの診断が必要です。
当院では、すべてのかたに舌下免疫療法を第一選択の治療としておらず、注射による方法やお薬の治療など、患者様の病状にあった治療法を提示しています。
まずは初診していただき、説明・検査の結果を聞いてから舌下免疫療法を検討していただくようにお願いします。
まず検査をおこなうので、初診の日に舌下免疫療法を開始することはありません。
また、これまでに当院に通院していただいているかたでも、舌下免疫療法を始めるにあたっての検査と説明が必要となります。
当院では、すべてのかたに舌下免疫療法を第一選択の治療としておらず、注射による方法やお薬の治療など、患者様の病状にあった治療法を提示しています。
まずは初診していただき、説明・検査の結果を聞いてから舌下免疫療法を検討していただくようにお願いします。
まず検査をおこなうので、初診の日に舌下免疫療法を開始することはありません。
また、これまでに当院に通院していただいているかたでも、舌下免疫療法を始めるにあたっての検査と説明が必要となります。
当院で舌下免疫療法を受けるまえにもう一度ご確認ください
✓スギ花粉症でお悩みですか?
✓他の花粉症やハウスダストのアレルギー性鼻炎治療ではありませんか?
✓1ヵ月に1回の通院が必要です(治療開始直後の最低数回は2週毎)。通えますか?
✓毎日舌下投与します。治療期間も年単位です。根気よく治療ができますか?
✓根治するかたもみえますが、効果のないかたもみえます。全員が根治する治療でないことを理解していますか?
✓1月~5月には治療を開始できません。
✓他の花粉症やハウスダストのアレルギー性鼻炎治療ではありませんか?
✓1ヵ月に1回の通院が必要です(治療開始直後の最低数回は2週毎)。通えますか?
✓毎日舌下投与します。治療期間も年単位です。根気よく治療ができますか?
✓根治するかたもみえますが、効果のないかたもみえます。全員が根治する治療でないことを理解していますか?
✓1月~5月には治療を開始できません。