三重県津市耳鼻いんこう科 『ゆたクリニック』 花粉症やアレルギーにスギ花粉症舌下免疫療法/ダニ舌下免疫療法のできる病院

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ダニ舌下免疫療法

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ダニ(ハウスダスト)の舌下免疫療法とは

ダニ(ハウスダスト)の舌下免疫療法とは

2015年にダニの舌下免疫療法が保険適応となりました。

日本では、スギの舌下免疫療法が初めて保険適応となり、1年遅れでダニの舌下免疫療法が保険適応となりました。ダニの舌下免疫療法について以下にご説明します。

スギの舌下免疫療法については、当院WEBサイト「→スギ舌下免疫療法」をご覧ください。 2018年2月に小児にも治療が可能となりました。

ダニ(ハウスダスト)舌下免疫療法のよくある質問

舌下免疫療法とは?

免疫療法とは、病気の原因となるもの(アレルゲンと言います)を少ない量からゆっくり増やして体内にいれて、体質を徐々に変えていく治療です。
日本では、注射による方法が1960年代から行なわれていました。
注射による方法では、治療開始後しばらく頻回の通院が必要であり、毎回注射の痛みがあります。
舌下免疫療法は、注射による免疫療法の欠点を改善した新しい治療法として2014年にスギ花粉症で初めて保険適応となりました。
さらに、ダニのアレルギー性鼻炎にも2015年に保険適応となりました。
(舌下免疫療法の説明は当院のWEBサイトにある「→スギ花粉症舌下免疫療法」も参照してください。)

ダニのアレルギー性鼻炎とスギ花粉症

アレルギー性鼻炎は、アレルギーの原因となるもの(アレルゲン)により、くしゃみ・鼻みず・鼻つまりなどの症状を呈する疾患です。
スギ花粉症はアレルギー性鼻炎に含まれますが、鼻症状以外の眼の痒みも伴いやすく、日本で非常に多い疾患なのでスギ花粉症という1つの疾患名で呼ばれています。
ダニによる眼症状は小児ではよくありますが、成人では少ないです。
ダニのアレルギー性鼻炎は通年性に症状があり、スギ花粉症は初春のみの症状です。

アレルギー性鼻炎・スギ花粉症の免疫療法とは?

ダニは主にヤケヒョウヒダニとコナヒョウヒダニの2種類があり、塵(ちり)ダニと呼ばれます。
屋内にはどちらのダニも多くいます。
犬などにつくマダニとは異なります。
大きさは100ミクロン程度で、肉眼では確認しにくいです。
じゅうたんや布団などにたくさん生息しています。
生きているダニがアレルギーの原因になるのではなく、ダニが粉々になった死骸や糞便などがアレルギー性鼻炎の原因になります。
日本におけるアレルギー性鼻炎では、スギ花粉とともに最も多い原因となります。

ダニとハウスダスト、ホコリはどう違うの?

ハウスダストはアレルギーを引き起こすものの混合物で、98%以上がダニです。
残り数%に、真菌や昆虫が含まれます。つまり、ハウスダストアレルギーの原因は、ほとんどがダニであり、微量に他の原因も含まれます。
アレルギーの検査をすると、ハウスダストとダニの陽性率は99%程度一致しますので、ダニとハウスダストはほぼ同じと考えてよいでしょう。

ヤケヒョウヒダニと、コナヒョウヒダニのどちらが原因となるの?

アレルギー性鼻炎の原因としてヤケヒョウヒダニとコナヒョウヒダニに差はなく、ほぼ同じものと考えてよいでしょう。
舌下免疫療法の治療薬にはヤケヒョウヒダニとコナヒョウヒダニが50%ずつ含まれています。

ダニの舌下免疫療法の治療薬は2社からの発売だがどう違うの?

ダニの舌下免疫治療薬は、海外の会社が製造したものを輸入しています。
アシテア(シオノギ社)とミティキュア(鳥居社)は、同じものではありません。
どちらもヤケヒョウヒダニとコナヒョウヒダニを50%ずつ含みますが、大きな違いは1錠に含まれるダニの量です。
アシテアにはミティキュアよりも約5.7倍多くダニが含まれます。
この2つの治療薬を直接比較した検討はないため、どちらが良いかについてはまだわかりません。
副反応(副作用)についても、異なると思います。
医療機関の判断でどちらの治療薬を優先するかが異なると思います。

海外では行なっていたの?

ダニの舌下免疫療法は、海外で錠剤でなく液剤で行なわれていました。
錠剤での治療は日本で初めておこなわれ、その後に海外でも順次開始されました。
錠剤は液剤よりダニの含有量が多いので、効果が高まると期待されています。
ただし、副反応も増えますので注意が必要です。
日本では液剤は発売されていません。

治療の方法は?

治療薬の錠剤を舌下(舌の裏)に置きます。
錠剤は舌下ですぐに解けます。
1分または2分間(製剤により異なる)そのままにしておき、その後に飲み込みます。
飲み込んだあとの5分間は、飲食やうがいができません。
この治療を1日1回、毎日自宅で行います。

毎日しないとだめなの?

基本は毎日行なう治療です。
忘れる日もありますし、諸事情でできない日もありますが、できるだけ毎日するように心がけてもらいます。
何日も行なわなかったり、舌下したりしなかったりを繰り返しますと、効果が少ないだけでなく安全性に問題が出ます。
100%毎日は難しいでしょうが、いい加減な治療は大きな問題となります。

通院回数は?

ダニ舌下免疫療法では1ヵ月に1回の通院が必要となります。
安全性を考えて、何ヵ月分もの処方は行ないません。
治療開始直後の暫くは2週毎に受診して副反応などのチェックを行ない、落ち着いたところで1ヵ月毎の受診となります。

治療期間は?

短期間の治療ではありません。
私どもでは、1〜2年間での効果を確認して、効果があれば合計4〜5年間の治療を勧めています。
効いているか否かも、1〜2年みないとわかりません。
また、短期間で治療を終了すると、治療終了後の効果が持続しないと考えられます。

いつでも開始できるの?

ダニの治療はいつからでも開始できますが、私どもは1月から5月での治療開始は基本的に避けています。
スギ花粉症を合併しているかたは、スギ・ヒノキ花粉の飛散期を避けて治療を開始する方が安全です。
また、ご自身ではスギ花粉症は無いと思っているかたでも、アレルギー検査をすると発症していない予備軍のかたが多く見え、その中には治療開始後に発症するかたもみえます。
細かな検査でスギ花粉症の可能性が全くないと判断できればいつでも開始できます。

ダニの舌下免疫療法の効果は?

薬の発売の前に、安全で効果的かをみる臨床試験が行なわれています。
プラセボ(薬の全く入っていない偽薬)との比較で症状の改善が認められ、重篤な副反応がないため発売が許可されました。
臨床試験での被験者の印象では、約20%で著効し、有効も含めると約80%でした。

すぐに効果がでるの?

開始してすぐに効果のでる治療ではありません。
効果がでるまでに最低でも数ヵ月必要ですし、開始後1年以上かけて効果が高まっていくと考えられます。
根気よく継続すると良いでしょう。ダニのアレルギー性鼻炎は通年性に症状がでますが、ダニも生物ですので1年間を通じて増える時期と少ない時期があり、1年中同じ症状を呈するものではありません。
気温が25℃前後で、湿度が75%前後の時期に特に増えます。
舌下免疫の治療中でも掃除や布団を干すなどで、ダニを減らす心がけも大切です。

治療すれば治るの?

治療した皆さんが治るわけではありません。
舌下免疫療法で完治するかたもみえますが、数割程度までと予想されます。
完治でなくても、非常に効果的なかたや薬を減らすことができるかたも多くみえます。
長い間治療をしても残念ながら効果のないかたが一部ででてきます。
まだ治療例が少ないので確かなことは言えませんが、見込みとして、完治のかたが20%程度、非常に効果的な方が30%程度、効果のある方が30%強程度、効果のないかたが10〜20%程度と予想しています。
この数字は、たくさんのかたが治療されればはっきりすると思います。

ダニ以外のアレルギー性鼻炎への効果は?

ハウスダストはダニとほぼ同じですが、それ以外が原因となるアレルギー性鼻炎には効果がありません。
ダニ・ハウスダストによる通年性アレルギー性鼻炎の治療です。

ダニの舌下免疫療法は安全?

口の中にアレルギーの原因となるものを入れますので、アレルギー反応がでる可能性があります。
このような副作用を副反応と呼びます。
ダニの舌下免疫療法の副反応は、スギ花粉症の舌下免疫療法よりも高率で、強くおこりますので、注意しながら治療をしていきます。
稀ですが、アナフィラキシーと呼ばれる重い副反応が起こりえます。
その場合には適切な対応が必要となりますので、治療時に医療機関で説明がされます。
免疫療法は舌下法の他に皮下注射法が行なわれていますが、舌下法は皮下注射法より安全性な治療です。
しかし、副反応は小さなものも含めて、特に治療初期によく起こりますので、治療方法を守っていただくことが重要です。

どんな副反応(副作用)があるの?

最も多いのが、痒み、違和感、腫れなどの口腔内の症状です。
また、くしゃみ、鼻みずなどのアレルギー性鼻炎症状も出やすくなります。
アレルギー性鼻炎の原因となるダニを使った治療ですので、アレルギー反応はでてしまうようです。
これらの症状は、治療開始直後に多く、治療開始から1ヵ月程度までに集中します。
副反応の多くは、短時間で改善し、1週間程度たつと出にくくなります。
その他、胃腸症状、眼や耳の痒みなどもみられます。
口の中の腫れは長びいたり、広範囲に広がると薬などでの対応が必要なこともあります。
安全に治療を行なうために、治療の開始時に医療機関で詳しく説明されます。

他の薬の併用は?

アレルギー性鼻炎の症状がでた時に用いる薬の併用は可能ですし、症状を我慢せずに併用することを勧めています。
他の疾患の薬も多くは併用可能ですが、高血圧薬のなかでβ遮断薬を使用している場合には薬の変更をしなければなりません。
また、ステロイド(副腎皮質ホルモン)の飲み薬の併用は免疫療法の効果を下げますので、常用しているかたは治療ができません。
ステロイドの点眼・鼻噴霧・吸入・軟膏は併用可能です。
併用薬がある場合には、医療機関で確認をしてください。

スギ花粉とダニのアレルギーの両方がある場合に両方の舌下免疫療法ができるの?

現在、スギ花粉とダニの舌下免疫療法が保険適応で行えますが、両方の舌下免疫療法を最初から行う事は勧められていません。
まずは片方から治療します。
片方の治療が安定すれば、他方も追加できる場合もありますので、治療時にご相談ください。

子供にも治療できる?

発売当初は12歳から適応でしたが、2018年2月より11歳以下の小児にも保険適用での治療が可能となりました。
年齢制限はありませんが、我々の経験では6歳からはほぼ可能と考えており、5歳以下では上手に治療をできない事が多いです。
また、治療には採血による検査が必要ですので、採血をさせてくれるお子様が適応となります。

高齢者の効果は?

高齢者のかたは適応外ではありませんが、効果が減弱します。
65歳以上のかたへの治療についてはよくご相談の上にしてください。
また、高齢者のかたはアレルギー性鼻炎でない鼻炎を合併しやすいので、耳鼻咽喉科でしっかり診察を受けてから検討するようにしてください。

気管支喘息には?

海外では気管支喘息の舌下免疫療法も行なわれており、効果のある報告もありますが、日本で行なった気管支喘息のかたへの舌下免疫療法の臨床試験では効果がでなかったため、保険適応の申請がされていません。
将来に気管支喘息にも舌下免疫療法が行なわれる可能性がありますが、現在では行なうことができません。
気管支喘息とアレルギー性鼻炎の両方を持っているかたに、アレルギー性鼻炎の舌下免疫療法を行なうことは可能ですが、気管支喘息の症状を一時的に悪化させる可能性があるため、しっかりと気管支喘息の治療が行なわれており、症状がコントロールされていないと開始できません。
過去に気管支喘息の既往があるかたは、現在無症状であれば可能です。
症状があれば気管支喘息の治療をしながらの舌下免疫療法となります。
舌下免疫療法中に気管支喘息の悪化があれば、一時的に舌下免疫療法を中断することもあります。

治療を受けられない適応外は?

以下の方には治療ができません。
・重い心臓疾患のかた
・薬でコントロールされていない気管支喘息のかた
・癌の治療中または経過観察中のかた
・近いうちに妊娠を希望されているかた
高血圧のβ遮断薬は薬の変更後に治療可能です。
(2018年より11歳以下も治療可能となりました。)

どんなかたにお勧め?

ダニ・ハウスダストのアレルギー性鼻炎でお悩みのかたには、皆さんにお勧めですが、特に下記のようなかたにお勧めしています。
・症状が強く、薬の効果が少ない。
・治療薬がたくさんいるので、少しでも症状をよくするか、薬を減らしたい。
・眠気など、薬の副作用がある。
・まだ若いので、これからずっと毎年症状に悩むのか考えると心配。
・アレルギー症状が勉強や仕事に支障となるので、少しでもよくしておきたい。
・鼻みずやくしゃみが問題となる職種についている。
・数年以内に妊娠の希望や予定はないが、将来に妊娠した際に薬が使えないのが不安。

どこで治療を受けられるの?

舌下免疫療法は保険適応のある治療ですが、スギ花粉症の舌下免疫療法と同じく、処方する医師はあらかじめ講習を受ける義務があるため、どこの医療機関でもできるわけではありません。
大きな病院でも講習を受けていない医師は処方ができません。
お近くのどの医療機関にいけば舌下免疫療法を受けられるかについては、発売製薬会社のWEBサイトなどで公表されますので、受診する前にその医療機関にあらかじめ問い合わせるとよいでしょう。
また、スギ花粉症の舌下免疫療法を行なっていても、ダニの舌下免疫療法をしていない医療機関がありますので、必ず事前に問い合わせると良いでしょう。

治療の費用は高いの?

診療費3割負担のかたでの1ヵ月の治療費は3500円前後となります(診療費と薬局での薬代の合計)。
また、治療前の採血検査時には5000円程度必要です。
その他、年に1回程度の検査を行なうこともあります。
外国でも舌下免疫療法が行なわれていますが、日本での治療費は諸外国に比べてかなり安く設定されました。

当院で治療を希望されるかたに

まずは、治療ができるかの適応を決めるために検査などを行ないます。
その結果で治療を開始します。
受診に予約は不要です。
他院での検査などがある方でも、最初の受診日に舌下免疫療法の治療開始はいたしません。
当院で詳しく説明をさせていただき、ご理解いただいてからの開始となります。
安全に治療を行なうために行政の規定で、初回の舌下投与は当院内で行い、投与後30分以上院内で経過を観察する義務があります。
そのため、最初の舌下免疫療法の治療日(通常では2回目の受診日)には、午前午後ともに閉院間際での来院しないようにお願いしており、1時間程度の時間の余裕をもって来院いただくようにしています。
初回の検査受診日や治療開始後2回目以降については診療時間内であればいつでもお越しいただけます。

ダニの舌下免疫療法を希望されるかたにもう一度ご確認ください

ダニ・ハウスダストのアレルギー性鼻炎でお悩みですか?
✓花粉症や気管支喘息の治療ではありませんか?
✓1ヵ月に1回の通院(最初の数回は2週間ごと)が長期に必要です。通えますか?
✓毎日舌下投与します。治療期間も年単位です。根気よく治療ができますか?
✓根治するかたもみえますが、効果のないかたもみえます。全員が根治する治療でないことを理解していますか?
✓すぐに効果のである治療でないことを理解してみえますか?
✓スギとダニの舌下免疫を同時に開始できません。まずは、片方からとなります。
✓スギ花粉症のかた、検査によりの発症していなくても発症する可能性があるかたには、1月〜5月での開始を避けています。
治療の参考に、「→スギ舌下免疫療法」の説明もご参照ください。

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